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早死にするという噂の真相について

考え込む男性

どのような病気であったとしても、多少の「死のイメージ」がつきまとうものです。

 

特に、パニック障害のパニック発作は、激しい動悸や胸の苦しさが伴うため、「このまま死んでしまうのではないか?」という具体的な死の恐怖を感じるため、この病気になると早死にするという噂が、まことしやかに囁かれています。

 

しかも、いったん発病すると絶対に治らないと誤解されている風潮もあります。

 

たしかに、パニック障害は心の病であるため、外科的手術によって治療できるというものではありませんし、適切な治療を行なったとしても、一朝一夕に完治するというものでもありません。

 

この間、心の持ち方や普段の行動によって、改善に向かうこともあれば、悪化することもあります。しかし、前向きに治療に取り組むことによって、必ず回復する病気であるということを忘れてはなりません

 

病気であることを深刻に考え過ぎ、物事をネガティブに捉えるようになると、精神的に落ち込んでいき、その結果として自ら死を意識することにもなりかねません。

 

パニック障害はうつ病を併発することがあり、自殺願望があらわれる確率が高まります。実際に自殺行為に及ぶケースも少なくないので、十分な注意が必要です。

 

また、患者の「死にたい」という思いは、リストカットや壁に頭を打ちつけるなどの自傷行為につながることがよくあります。

 

しかし、患者は本気で死を望んでいるのではなく、「死ぬほどつらい」という気持ちを周囲に伝えるために、あるいは自己嫌悪によって自分を罰するために自傷行為に走るわけです。

 

もっとも、本気で死ぬ気はないとはいえ、傷が予想以上に深かったり、打ちどころが悪かったりすると死に至る恐れもあり、大変、危険な行為といえます。

 

家族の対応について

家族などの患者の自傷行為を発見した場合は、すぐに止めて傷の手当てをしたり、場合によっては救急車を呼ぶなどの対応が必要ですが、決して本人を責めてはいけません。

 

家族としては、心配するあまり、「どうしてこんなことをするの!?」などと、つい叱責してしまいがちですが、これは絶対に避けなければなりません。

 

なぜなら、患者は孤立感をさらに深め、自己嫌悪を強め、自傷行為がかえってエスカレートする恐れがあるからです。

 

患者のつらい気持ちを理解するよう努め、温かく見守ることが自傷行為の抑止へとつながるのです。

 

看護師

パニック障害は完治までに時間がかかるものの、きちんとした治療を行なえば必ず治る病気です。

 

医師から処方された薬を欠かさず服用し、規則正しい生活を送るなどライフスタイルの改善、栄養のバランスを考慮した食生活を心がけ、また家族など周囲の人が協力して、ともに治療を継続していくことができれば、病気の改善はもちろんのことながら、健康の増進にもつながり、早死するどころか、むしろ長生きできる可能性も高まってきます。

 

実際、パニック障害になったことで、適切な治療と並行して生活習慣を改善したことで、発病前よりも健康になったという事例は少なくありません。

 

パニック障害になると早死するなどという後ろ向きな考えは捨て、しっかりと前を向いて治療に取り組みましょう。