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認知行動療法による治療とは?その効果について

医師と患者

パニック障害の治療法としてもっともポピュラーなのは、抗うつ剤や抗不安剤を用いて発作などの症状を抑える「薬物療法」がありますが、これだけで病気を根本から治療することはできません。

 

そのため、カウンセリングなどによって、発作を引き起こしている原因を究明したり、日常生活で問題を引き起こしている考え方やとらえ方、気持ち、心のパターンや癖を整理・把握し、それを患者自身に認識してもらい、段階的に行動に移すことで改善していく「認知行動療法」が行なわれます。

 

パニック障害の代表的な症状のひとつに「広場恐怖」があり、認知行動療法はこの広場恐怖がある患者に対してよく使われ、高い効果を発揮します。

 

人ごみ

「広場恐怖」は、発作が起きた場所だけではなく、発作が起きそうになったときにすぐに逃げ出すことができない場所や、助けを求めることができない場所に対して強い不安や恐怖を感じ、避けるようになるというものです。

 

具体的には、街中の人混み、電車や地下鉄、新幹線、飛行機、エレベーターやトンネル、窓のない部屋や地下室などがあります。

 

たとえば、過去に電車の中でパニック発作が起きた経験がある人は、電車に対して恐怖心を抱き、電車に乗ることができない、あるいは駅まで行くことができなくなります。

 

これは、「電車に乗ると、また発作が起きるのではないか?」という不安(予期不安)があるためです。しかし、それは患者自身が思っているだけであって、必ずしも事実ではありません

 

つまり、「電車に乗ると発作が起きる」「電車=発作」という考え方は、あくまでも患者の思い込みにすぎないのであって、決して事実ではないにもかかわらず、本人がそのことに気づいていないわけです。

 

そこで、認知行動療法では、カウンセリングを通して患者の誤った認識(思い込み)を本人に自覚するように促し、少しずつ克服していきます。

 

たとえば、発作が起こったときに激しい動悸や呼吸困難によって抱くことが多い「このまま死ぬのではないか?」という恐怖や破局的な思考に対し、そう考えた理由や、それは事実ではないということを認識させ、現実的で正しい思考(考え方)ができるように導くことで不安や恐怖の発生を抑え、発作を軽減・予防、病状の進行を抑制します。

 

同時に、発作が起きる不安や恐怖を感じて近づけない場所に慣れるために、まずは写真を見たり、あるいは遠くから眺めるところから始めて、徐々に距離を縮めていきます。

 

駅

たとえば、駅の近くまで行くことができたら、次は駅の入り口まで行ってみる。それができたら、次は改札を通ってホームまで行ってみる。次に実際に電車に乗って1駅目で引き返す。

 

これを繰り返して駅の数を増やしていくことで電車に慣れていきます。

 

そして、最終的には、「電車に乗っても発作は起きない」ということを体験的に認識することで、広場恐怖を克服するというように段階的に病気を改善していきます。