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残遺症状の症例や傾向について

医師と看護師

パニック障害のパニック発作は、激しい不安や恐怖、緊張が伴うため、一度でも発作が起きた経験がある人は、なんらかの病気を心配して医師の診察を受け、パニック障害であるとの診断を受けることになります。

 

しかし、必ずしも激しい発作が伴うとは限らず、その場合は、病気を見過ごしたままになってしまうことがあります。

 

パニック障害のパニック発作がそれほど激しくない状態が長期間続き、その間、医師の診断や治療を受けずに放置した場合や、医師の治療を受けたものの、不十分である場合には、突発的に症状があらわれることが少なくなる一方、発作の中心的な症状のいくつかが継続してあらわれるようになります。

 

これを、パニック発作の「残遺症状」と呼びます。

 

残遺症状には実に様々なものがあり、また、どの症状があらわれるかは患者個々によってバラつきがあります。しかも、各症状は単独であらわれるのではなく、複数の症状が同時に起きたり、いくつかの症状が次々とあらわれるケースもあります。

 

残遺症状の一覧

残遺症状に悩む女性

具体的な残遺症状をザッと挙げてみると、頭痛、血圧が上がって頭が膨れる感じ、頭に何かが乗っている感じ、視野がチカチカと揺れる、脈が飛ぶ、動悸がする、身体全体にドクンドクンと脈を打つ、息苦しくなる、胸が痛くなる、胸がチクチクする、喉元がビクビクする、喉が詰まった感じがする。

 

その他にも、肩こり、首の痛み、手が冷える、じっとりと汗をかく、汗が引かない、熱っぽい感じがする、寒気がして身体がゾクゾクして鳥肌が立つ、背中がピクンピクンする、気が遠くなりそうになる、感情が湧かない、自分の周囲の感じがピンとこない、雲の中にいるようなフワフワした感じがする、フッと一瞬、現実感がなくなる、 自分だけ取り残された感じがする、胸騒ぎがする、ソワソワしてしまう、神経がビリッとする、電車が脱線する恐怖に襲われる、仕事の最中に周囲の壁が自分に迫ってくる感じがする、普通のスピ−ド感が恐怖に感じる……。

 

このように、残遺症状のほとんどは、パニック発作に一般的に見られるような激しいものではなく、しかも、いつの間にかあらわれ、気づかないうちに消えてしまうという特徴があるため、患者自身も医師も軽視しがちです。

 

たしかに、残遺症状そのものは発作症状に比べると軽く、発作時のような死の恐怖を感じるようなものではありませんが、1日のうちで長時間にわたって持続的に起こるという特徴があるため、患者にとってはかなりの不快感が伴います

 

しかし、これらの症状があらわれただけでは、すぐにパニック障害だと気づく人はまずいないといえるでしょう。そのため、頭痛や肩こり、手の冷えなど、個別の症状を改善することにばかり目が行ってしまい、根本的な病気治療がなされないまま放置されているケースが少なくありません。

 

パニック発作の残遺症状を改善するためには、パニック障害の専門医を受診し、パニック障害とまったく同じ治療を受ける必要があります。もっとも、パニック障害自体が初期で軽症であることが多いため、ほとんどの場合、薬の服用による薬物療法で完全に症状はなくなります。