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予後の傾向や薬服用の際の注意点について

医者

パニック障害の治療に関する歴史は決して長いとはいえないため、長期にわたる治療についての研究報告は不十分であり、「予後」に関しても一概に「良い」とも「悪い」とも言い切れません。

 

ただ、はっきりしているのは、パニック障害は慢性化したり、いったん回復しても再発を繰り返すケースが多く、いわゆるQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)は、うつ病の場合と同じくらいのレベルとなっています。

 

パニック障害の治療経過を長期的に見た場合、治療具合の進み方には大きな個人差があり、人によっては何年も発作が起きない期間を挟んで発作の再発を繰り返すケースもあれば、断続的に発作の症状が起きる状態が長期にわたって継続するケースもあります。

 

こうしたことから、患者によって予後は大きく異なるため、それぞれのケースごとに適切に対応する必要がありますが、一般的な長期的予後は、健康な状態を維持しているケースが30〜40%、発病した頃よりも改善はするものの症状が残るケースが約50%、病状が変わらない、もしくは悪化するケースが10〜20%となっています。

 

このようにパニック障害の予後は、良くなっている人もいれば、悪くなっている人もいる、また、変化が見られない人もいる、といったように非常に漠然としているのが現状ではあるものの、全体としては快方に向かうケースが多いといえるので、諦めずに根気強く治療を続けることが大事です。

 

そして、いったんは良くなったものの、再発してしまうことを防ぐには、継続的な薬の服用が重要です。

 

激しい発作が起きなくなるなど、症状が解消されたり、あるいはかなり軽減されたたとしても、油断して薬の服用を中止すると、すぐに再発する可能性もあります。

 

「発作がなくなったから、もう大丈夫」と安心し、自分だけの判断で薬の服用を中止するのは非常に危険です。再発するだけではなく、症状を悪化させる恐れもあるので、医師のOKが出るまでは、面倒でも薬の服用を続けましょう。

 

薬の服薬を続けたグループの再発率はわずか5%であるのに対し、服薬を中止したグループの再発率は30%まで跳ね上がったという研究報告もあり、いかに薬の服用を継続することが大事であるかがわかるはずです。

 

薬剤師と患者

では、何年ぐらい薬の服用を続けなければならないのか、という疑問が出てくるかもしれませんが、これも患者によって個人差が大きいので、現在のところ一概には言えません。

 

ただ、薬の服用によって発作が抑えられるなど、症状が改善したとしても、少なくとも2年程度は服薬を継続するのが望ましいとされています。

 

この「2年」という目安を長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれですが、その後の長い人生を安心して暮らすことを考えれば、薬を服用する程度のことは決して無駄な手間ではないはずです。