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胎児に何らかの悪影響を及ぼす可能性は?

パニック障害は男性よりも女性に多く見られる病気です。パニック障害の女性のうち、妊婦がもっとも心配なことは、病気治療のために服用している薬が胎児に悪影響を及ぼすのではないかということです。

 

赤ちゃん

 

実際、過去には睡眠薬のサリドマイドという薬を飲んでいた妊婦に手足が短い奇形児が多く生まれたという悲しい事例があり、こうしたことから「薬=奇形児」というイメージが定着してしまいました。

 

しかし、パニック障害に関しては、こうしたことは当てはまりません。

 

パニック障害の治療には薬物療法が一般的に行なわれているため、以前からパニック障害の治療に用いられる薬の胎児への影響に関する研究はずいぶん進められています。

 

パニック障害の治療に使われる抗うつ薬などを妊婦が摂取した場合、胎児にどのような影響があったかをまとめて研究報告によると、薬による胎児奇形などの悪影響が増えるといったことはありませんでした。

 

医師の指示に従って薬を服用することでパニック発作を抑え、元気な子供を産むケースがほとんどです。

 

ただし、奇形児が産まれない確率は100%ではなく、健康な妊婦と同じと考えていいでしょう。

 

健康な妊婦で薬の服用をしていなかったとしても、胎児や新生児に異常が見られるケースは2%程度とされています。

 

つまり、健康な妊婦であっても奇形児が産まれる可能性は常にあるわけで、パニック障害を患って薬を服用している妊婦だからといって奇形児が産まれる確率が高まることはないということです。

 

もちろん、産まれてきた子供の心身の発達や発育についても、医師の指導に従って正しく薬を服用していれば、正常に成長していくという研究結果があります。

 

医師

このように、パニック障害の治療薬を服用しても胎児に悪影響はないとされているとはいえ、それでも心配するのは当然のことかもしれません。そのため、妊娠がわかった途端に薬の服用を中止したり、あるいは服用量を減らす人も少なくありません。

 

妊娠後に飲酒や喫煙を控えるように、薬の服用をやめるのは一見、好ましいことのように思われますが、これは大きな間違いであり、パニック障害の治療という観点からは、むしろ怖い側面があります。

 

万が一、妊娠中に激しい発作が起きた場合、胎児にどのような影響を及ぼすのかはわかっていないうえ、むしろ悪影響を及ぼす可能性も考えられます。

 

こうしたことから、パニック障害の女性は、妊娠したからといって薬の服用を中止するよりも、それまでどおり、服用を続けたほうが安心だと考えられています。

 

ただ、患者によって症状や程度は異なるので、すべてのケースに当てはまるとは限りません。パニック障害の女性が妊娠した場合は、すぐに医師と相談し、その指導に基づいて適切に対処しましょう。

 

また、どうしても薬の影響が心配で、服用を中止したいといった場合は、薬物療法から認知行動療法など別の治療法に切り替えることも検討してみるといいでしょう。