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PTSD(心的外傷後ストレス障害)との共通点や違いについて

PTSDの女性

パニック障害と間違えられやすいPTSD(心的外傷後ストレス障害 / Post-traumatic stress disorder)は、心に深い傷を負って様々なストレス障害を引き起こす病気です。

 

PTSDは、命に関わるほど危険な恐怖体験をしたり、ショッキングな事件を目撃したり、あるいは、人としての尊厳を傷つけられるような屈辱的な体験をすることで引き起こされます。

 

原因となる体験のことを「トラウマ体験」といい、代表的なものには、大規模な自然災害や交通事故、性的暴行、虐待、DV(ドメスティック・バイオレンス)、戦争体験などがあります。

 

こうした体験によって肉体的・精神的に強いショックを受けて、心に深い傷が残ることを「トラウマ」といいます。

 

PTSDによるフラッシュバックについて

通常、トラウマ体験の直後は特に変化は見られず、落ち着いているため、何事もなかったかのようですが、数時間〜数日後に、突然、その時の記憶や感覚(恐怖や不安、緊張など)が生々しく蘇ってきたり、鮮明な夢としてあらわれることがあります。

 

フラッシュバックが起きている女性

 

これを「フラッシュバック(追体験)」といいます。このフラッシュバックが起きると、過去に体験した恐怖などがリアルに想起されるため、ひどく怯えたり、身体が震えたり、恐怖のあまり悲鳴をあげるといったケースも少なくありません。

 

また、フラッシュバックが起きていなくても、普段から極度に警戒心が強くなったり、悪夢を恐れて眠れなくなったりします。

 

PTSDの治療法について

PTSDの治療では、心理療法や薬物療法が行なわれます。

 

心理療法

心理療法

まず、心理療法では、曖昧な記憶をつなぎ合わせて再構築し、あえて、つらいトラウマ体験と向き合わせます。

 

そして、トラウマ体験は「過去の出来事」「もう終わったこと」だということをしっかりと認識させ、もはや恐れたり不安に感じる必要はないことだと理解させます。

 

最終的には、患者自身がトラウマ体験について冷静に語ることができるようになるところまで導いていきます

 

薬物療法

薬物療法

こうした心理療法と並行して行なわれる薬物療法では、抗うつ薬のSSRIをはじめ、パロキセチンやフルボキサチンなどの薬を用います。

 

これによって、つらい症状を緩和し、感情の乱れをうまくコントロールできるようにしていきます

 

不眠などの睡眠障害が見られる場合は、ハルシオンなどの睡眠薬(睡眠導入剤)を使用し、安心して入眠・熟睡できるようにします。

 

PTSDによるフラッシュバックが起きると、患者は蘇ってきた恐怖や不安などによって混乱し、取り乱した状態になります。この状態は、パニック障害によるパニック発作の状態とよく似ているため、周囲から混同されたり、医師の誤診を招くことがあります。

 

しかし、両者の決定的な違いは、トラウマ体験の有無にあります。PTSDの背景にはトラウマ体験が必ず存在しますが、パニック障害の場合は、その背景にトラウマ体験は存在しません。そのため、フラッシュバックがあらわれることもありません。