このエントリーをはてなブックマークに追加  

パニック障害を引き起こす原因とメカニズムについて

ストレスを抱える男性

パニック障害の代表的な症状であるパニック発作があらわれると、心臓の鼓動が激しくなり、このまま死んでしまうのではないかと思うほどの恐怖に襲われます。

 

しかし、パニック障害は心臓の病気ではなく、いわゆる「心の病」であるため、脳の機能が大きく関係しています。

 

パニック障害の患者は、病気が発症する以前にストレスが溜まっているのがほとんどです。

 

通常、人間は誰しも生きていくうえで多少のストレスを抱えているもので、ある程度は必要なものでもあります。

 

しかし、あまりにも強いストレスを受け、その人の許容範囲を超えてしまうと、健康を害して様々な体調不良があらわれたり、脳の機能に影響を与えて精神的に参ってしまい、うつ病や睡眠障害などがあらわれます。

 

パニック障害は遺伝するものだと思っている人が多くいますが、この病気は決して遺伝病などではありません

 

実際、両親のどちらかから病気の遺伝子を受け継いで、パニック障害を発病したというレポートは存在しません。また、ストレスに弱い体質を受け継ぐことはあるものの、それだけが原因でパニック障害を発病するとは言い切れません。

 

パニック障害は、ストレスを感じやすい性格に加えて、仕事や人間関係などによるストレスなど後天的な外因がプラスされることで引き起こされるものであり、遺伝による先天的な病気ではないとされています。

 

様々なストレスを感じるのは脳であり、強いストレスを受けたり、長期にわたってストレスを受け続けると、脳の機能に狂いが生じ、パニック発作が起きてしまうことになります。

 

パニック障害と脳幹の関係

脳

そもそも人間の脳というのは、ひとつの塊ではなく、大脳、小脳、脳幹の3つで構成されており、このうち大脳の下部にある脳幹がパニック障害に深く関係しています。

 

脳幹は、人間の生命維持をつかさどる重要な部分であるため、この機能が損なわれると、私たち人間は生きていくことができなくなってしまいます。

 

この脳幹は、延髄、橋(きょう)、中脳、間脳の4つで構成されており、このうち“橋”には、不安を感じる青斑核と呼ばれる神経核があります。

 

人間が「不安を感じる」ということは、命の危険を察知するための動物的な本能であり、一種の警報(危険信号)のようなものです。この警報を発する役割を果たしているのが橋であり、ここが誤作動することによってパニック発作が起きるわけです。

 

医師

脳がストレスを感じると、ノルアドレナリンという脳内物質が分泌されます。このノルアドレナリンは、交感神経を興奮させる神経伝達物質の一種です。

 

ノルアドレナリンが分泌されると青斑核が刺激され、その刺激は大脳辺縁系と呼ばれる場所に伝達されます。大脳辺縁系は、不安や恐怖、怒りなどの感情をキャッチする部位です。

 

青斑核が強いストレスを受けて誤作動を起こすと、ノルアドレナリンの分泌が止まらなくなり、大脳辺縁系は不安や恐怖などの情報を受信し続けることになってしまいます。パニック発作が起きる前に、強い不安や恐怖を感じるのは、こうしたことが原因しているのです。

 

ノルアドレナリンによって感じた不安は、内臓機能や内分泌機能をコントロールする自律神経をつかさどる視床下部に伝わります。

 

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つがあり、ノルアドレナリンは交感神経に作用します。交感神経が過剰に刺激を受けると、副交感神経とのバランスが崩れるため、パニック発作の症状である激しい動悸や呼吸困難があらわれることになるのです。